今やすっかり「まつげのおしゃれ」の定番となったまつげエクステ。自まつげが伸びたかのように自然に長いまつげが手にいられるのが魅力ですが、グルーアレルギーといった問題も指摘されるようになっています。「アレルギーが出たらどうしよう」と迷ってマツエクを受けられない…という人もいるのではないでしょうか?
でも現在では、多くのまつげエクステサロンでマツエクのパッチテストが受けられます。パッチテストはマツエクが初めての人にはもちろん、今までマツエクをしてきた人もやっておきたい重要なテストなんです。ここではマツエクのパッチテストについて、内容・時間や料金・注意事項等を詳しく解説していきます。
目次
マツエクのパッチテストって何?
「パッチテスト」とは、化粧品・薬品等による接触皮膚炎やその他アレルギー症状が起こるかどうか、確かめるために行うテストのこと。ヘアカラーやヘアマニキュア等の家庭用毛染め製品では、必ずパッチテストを行うことがメーカーによって説明されていますよね。また化粧水や美容液等の基礎化粧品でも、アルコール類への反応・各成分へのアレルギー反応が無いかを調べるため、24時間~48時間のパッチテストを行うことが推奨されています。
まつエクのパッチテストもこれらと同じで、少量の成分を実際に体に使うことでアレルギー反応が出ないかどうかを確認します。まつげエクステのパッチテストは、安心してマツエクを行うための大切なステップなんです。
まつげエクステのパッチテストが必要な理由は?
「花粉や動物のアレルギーも無いし、心配無いと思うんだけど…」と思う人も多いはず。でもまつげエクステで起こるアレルギーの原因成分(アレルゲン)は、花粉・ハウスダスト・動物等とは異なります。花粉症やアレルギー性皮膚炎になったことが無い人でも、薬品の成分等でアレルギー反応が出ることがあるんです。まつげエクステの場合、特にアレルゲン(アレルギー反応の元となる成分)となりやすいものとしては以下が挙げられます。
- ホルムアルデヒド:マツエクを付ける接着剤(グルー)に含まれる成分で、マツエク装着中にそのほとんどが空気中に飛散します。しかし揮発しきらなかった成分が目元付近に残り、アレルゲンとなることもあります。
- エチルシアノアクレリート:グルーの接着成分のひとつ。医療用にも用いられる成分で安全性は高いのですが、粘着による刺激で炎症が起こる可能性もあります。
- ブチルシアノクレリート:エチルに比べて刺激が少ないと言われる接着成分です。そのため敏感肌の方の場合にはブチルシアノクレリートがよく使われますが、やはりホルムアルデヒドの飛散があるため、皮膚・目元への刺激はゼロではありません。
- カーボン成分:主に黒色のグルー(接着剤)に配合される色素成分です。
上記のような接着剤(グルー)の成分によるアレルギーは、まとめて「グルーアレルギー」と呼ばれることもあります。またこの他、マツエク装着時の保護テープの粘着剤成分等によってアレルギー反応が出てしまうケースも。免疫反応が出る成分には個人差があるため、一概に「この成分さえ入っていなければアレルギー反応は出ない、安心」とは言い切れません。
マツエクのパッチテストを受ける必要がある人とは?
マツエクのパッチテストは、できればマツエクをする全員が受けるべきテストとも言えます。でも特に「絶対パッチテストをした方が良い!」といえるのは、以下のような人たちです。
●初めてまつげエクステをする人
「今までマツエクをしたことが一度も無い、初めて」という人は、パッチテスト制度が必ずある店舗を選ぶことをおすすめします。
●利用するマツエクサロンを変えた人
マツエクサロンは、店舗によってグルーや保護テープ、使用するエクステンション等にも違いがあります。前回まで利用していた店舗のグルーで問題が無くても、新しい店舗のグルーの成分に反応してしまう可能性もあるのです。
●まつげエクステをリムーブして、久しぶりにマツエクを付ける人
アレルギーとは「一回付けて大丈夫だったから、その後も大丈夫」というものではありません。何度かの利用によって成分に対する免疫反応が過剰となり、数年以上の時が経ってから急にアレルギー反応が起こるというケースが非常に多くあります。「半年間マツエクをおやすみしていたけれど、また付ける」といった場合には、パッチテストをした方が安心です。
●ブライダル・パーティーのためにマツエクをする人
万一アレルギー反応が出た場合には、目や目の周辺に赤みや腫れといったトラブルが出てしまいます。また一度皮膚トラブルが起こると、その炎症がおさまるまでに一週間~10日以上もかかってしまうことも。特に結婚式等のブライダルメイク、大きなパーティーといった晴れの場で、このようなトラブルが出ては大変ですよね。そのためブライダルサロン併設のマツエクサロン等では、ご利用者全員に事前のパッチテストを受けてもらうのが一般的です。
【事前パッチテストをした方が良いシーン】
・結婚式
・同窓会
・謝恩会
・卒業式
・成人式 等
延期ができないイベント、一生に一度の晴れの場といった時の装いのためにまつげエクステをする時には、早めにパッチテストを受けておくことをおすすめします。
●化粧品・医薬品・ヘアカラー等で赤みやかゆみが出たことがある人
以下のようなアイテムでかゆみ・赤み・乾燥・腫れ等が起こったことがあるという人の場合、アレルギー性の接触皮膚炎が比較的起こりやすいと考えられます。
【接触性皮膚炎の原因となるアイテム例】
・洗顔料
・メーク落とし
・化粧水・美容液等の基礎化粧品
・下地、ファンデーション
・アイライン・マスカラ等のメークアップ用品
・ヘアカラー、ヘアダイ、ヘアマニキュア
・シャンプー
・トリートメント、カラートリートメント等
特にアイラインやマスカラといったアイメイク用品で赤み・腫れ等が起こったことがある場合、目元の皮膚が弱い可能性も。事前にパッチテストを受けて、確認を取っておいた方が安心です。
●なんらかのアレルギーがある人
一般的に、なんらかのアレルゲンに対して反応しやすい人は、その他の成分に対しても免疫機能が過剰反応しやすいと言われています。以下のようなアレルギーが確認されている場合や、動物との接触等によって軽いアレルギー反応が出たという場合には、マツエクの際にもテストをしておいた方が良いでしょう。
【アレルギーの例】
・動物アレルギー(犬、猫等)
・ハウスダストアレルギー
・花粉症(スギ、ヒノキ、ブタクサ、キク科植物等)
・食品アレルギー(小麦、卵) 等
マツエクのパッチテスト、施術時間や内容は?
マツエクのパッチテストの内容は、店舗により異なります。ただし大きく分けると、施術時間が短い「簡易型」と、本格的な「装着型」に分けることができます。
簡易型(塗布型)
グルーと同一の成分の液体や保護シートの一部を使用し、二の腕の裏側等の皮膚の柔らかい部分に塗布をして、24時間~48時間以上後の皮膚の状態をチェックします。マツエク等の装着は行わないため、テスト時間が短いのが特徴です。
≪簡易型のパッチテストの施術時間≫
5分~10分(カウンセリング込みの場合、15分~30分)
≪簡易型パッチテストの確認時間≫
平均、塗布後24時間~48時間
確認時間が過ぎたら絆創膏等を剥がして、赤み・腫れ・乾燥といった皮膚トラブルが起きていないかを確認します。なお簡易型は成分による皮膚刺激(かぶれ)が心配な方の為のチェックテストであり、グルー成分の揮発による目への刺激等、本格的なアレルギー反応を確認できるものではありません。
装着型
通常行うまつげエクステと同様に、目元へのまつげエクステの装着を行うテスト方法です。万一のアレルギー反応が出た場合を考え、装着本数を両目各5本~10本程度(店舗により異なる)と大幅に減らし、グルーの使用量も控えめにしてあります。
≪装着型のパッチテストの施術時間≫
20分~30分(カウンセリング込みの場合、45分~60分)
≪装着型パッチテストの確認時間≫
2・3日~一週間以上(店舗により異なる)
本格的なパッチテストを行う店舗の場合、パッチテスト後の確認時間は一週間~10日程度置いています。これはアレルギー反応が装着直後には出ず、装着してしばらく経って出るという「マツエクの遅延型アレルギー」の可能性があるためです。実際にマツエクを付けられるのが少し先になってしまいますが、アレルギー反応をしっかりと避けるためには確認時間が長い店舗の方が安心と言えます。
マツエクのパッチテスト、料金の値段は?
マツエクのパッチテスト制度の有無・マツエクのパッチテストの料金・値段の設定については、店舗により大きく異なるため一概に「いくら」とは言いづらいところです。ただ平均的に見ていくと、以下のような種類に分類できます。
マツエクのパッチテスト無料の店舗
利用者全員にパッチテストを行うスタイルの店舗や、希望者に対してパッチテストを無料で行う店舗です。例えばブライダルサロン併設店舗、ブライダル請負のマツエクサロン等の場合には、ほぼ利用者全員に対して無料でのパッチテストを行っています。またアレルギー対策に対して熱心なサロンの場合、「マツエクのパッチテスト無料」としていることも多いです。
ただ店舗によっては「マツエクパッチテスト無料」と言っておきながら、実際には簡易型のパッチテストしか用意していない…ということも。パッチテストがどんな内容なのかを事前に確認しておいた方が良いでしょう。
マツエクのパッチテスト有料、返金型の店舗
パッチテスト利用時に料金は発生しますが、その後にアレルギー反応が出ずマツエクを実際に行う時にテスト料金を返金するスタイルの店舗です。まつげエクステのパッチテストの料金相場は平均2,000円~2,500円とやや高めですが、アレルギーが出なければその分は全額返金となるので、オトク感はありますね。
マツエクのパッチテスト有料、返金無しの店舗
パッチテストは希望者のみのオプションサービスで、別途料金が発生するタイプです。アレルギーが出ずに実際にマツエクを装着する場合でも、返金等の制度はありません。料金体系は店舗により大きく異なり、1,000円~3,000円となっています。アレルギー対策に熱心な店舗の方が、価格を下げている傾向です。
マツエクのパッチテスト制度が無い店舗
公式サイトや店舗ブログ、メニュー等にパッチテスト料金が明示されていない場合、店舗の制度としてはパッチテストが行われていない可能性が高いです。希望をすればエクステの装着本数を減らすという形でのパッチテストが受けられることもありますが、実際のマツエク料金とあまり変わらない料金価格を提示されることも。
またサイト上にパッチテスト明記が無い場合、アレルギー対策に取り組んでいないマツエクサロンという可能性が大。万一アレルギー反応が出ても、適切な対応を取ってもらえない恐れもあります。安全性を考える上では、パッチテストが無い店舗はあまりおすすめできません。
マツエクのパッチテストでアレルギー反応が出たら?
パッチテスト装着直後~一週間程度の間に以下のような反応が出たら、マツエクのグルーアレルギー、保護テープ等によるアレルギーの可能性が考えられます。
【目の反応】
・目のかゆみ
・目のチクチク感・違和感
・目やにが大量に出る
・目が開きにくい
・涙目になる
・目が乾燥する
・目が充血している
【皮膚の反応】
・まぶたの皮膚が赤い
・まぶたが腫れている(目が小さく見える)
・二重の形が変わっている、二重が取れる
・目の周辺が赤い、乾燥している
・その他顔や体の肌に異常がある
【鼻・喉の反応】
・くしゃみや鼻水が出る
・風邪・喘息のような咳が出る
・息苦しい、息がゼイゼイする
サロンでマツエクをリムーブする
上記のような反応が見られた場合、できるだけ早くアレルゲン(アレルギーの元)であるグルーやエクステを取り去ることが大切です。すぐにパッチテストを受けたマツエクサロンに連絡して、マツエクのリムーブ(取り外し)を行ってもらいましょう。
なお「クレンジングオイルで落とす」といった自己対処をするのはNG!成分が肌に残ってしまい、アレルギー症状がさらに酷くなる可能性も考えられます。
眼科・アレルギー科で診察を受ける
リムーブをして数日経ってもアレルギー症状が治まらない場合や、アレルギー症状が非常に重い場合には、放置せずに眼科・アレルギー科を受診しましょう。眼科と提携しているマツエクサロンであれば、即時に専門医を紹介してもらえます。万一のトラブルが不安な場合には、眼科提携型のサロンを選んだおくのも手です。
おわりに
「早くマツエクをしたい!」という人にとって、マツエクのパッチテストはちょっと面倒に感じられるステップかもしれませんね。でもしっかりとパッチテストを受けておけば、安全に、更に快適にマツエクのおしゃれを続けていくことができます。また安心して通えるサロンを選ぶ要素としても、パッチテストは良いチェック事項となるはず。パッチテストをきちんと受けて、安心してまつげエクステを楽しみましょう!