せっかく付けたまつげエクステ、でもどうしても仕上がりが気に入らない…早く取りたい、外したい!こんなことってありますよね。マツエクを外すことを「リムーブ(オフ)」と言いますが、マツエクのリムーブ(オフ)は原則としてマツエク専用のサロンで行うことになっています。でもマツエクって、自分でオフすることはできないんでしょうか?この記事ではマツエクを自分でオフする場合の取り方、オイル等を使う場合の注意点等について解説していきます。
目次
リムーバーでマツエクを自分でオフできる?
まつげエクステでは、専用のグルー(接着剤)を使って自まつげとエクステンション(つけ毛)を接着しています。このグルーを溶かすには本来、専用のリムーバー(グルーリムーバー)の使用が必要です。
グルーリムーバーには二種類あり、まつげエクステサロン等で使われている業務用のもの(プロ仕様のもの)と、特に資格を持っていない人でも使用できることになっている一般向け・個人用のものがあります。現在ではネット通販等でも、個人用のグルーリムーバーが取り扱われるようになりました。クリームタイプの「クリームリムーバー・ジェルタイプの「ジェルリムーバー」等、製品のテクスチャーも幅広くなっています。価格は1,000円代~3,000円程度というのが平均的です。
グルーリムーバーの危険性
「自分でリムーバーを買ってマツエクを取れるなら、その方が安上がりで良いかも」と思う人も多いかもしれません。でも実は、グルーリムーバーを自分で使うのはあまりおすすめできないんです。それには以下の2つの理由があります。
マツエクリムーバーが目に入ると危ない!
マツエクリムーバーには、強い有機溶剤が含まれています。例えばアセトン・トルエンといったもので、これらはプラスチック等を溶かすこともできるような刺激の強い成分です。「ノンアセトン」と表記されているリムーバーでも、メチルエチルケトン等のアセトンの代わりになるような溶剤が配合されていることには変わりがありません。
これらの成分が万一目に入った場合、以下のような目のトラブルを引き起こす可能性があります。
・目の充血
・目の乾き(ドライアイの促進)
・結膜炎・角膜炎
・ぶどう膜炎(内眼炎)
結膜炎・ぶどう膜炎等による炎症が重い場合、視力が大幅に低下したり、最悪のケースとしては失明をする恐れもあります。マツエクのリムーバーがほんの少しでも目に入ると、しみる痛みの衝撃はかなりのものです。万一目に入った場合には即座に洗い流し、すぐに眼科医を受診する必要があります。
グルーリムーバーでまぶたの炎症やアレルギーを起こす可能性も
マツエクを落とすグルーリムーバーは、眼球(目)だけでなく目のまわりのまぶたの皮膚にも強い刺激をもたらします。リムーバーがまぶたの皮膚に付着した場合、以下のようなトラブルが起きる可能性も高いです。
・皮膚が赤く腫れる
・かゆみが出る
・発疹(ポツポツ)ができる
・皮膚がただれる
・皮膚が激しく乾燥する・皮剥けが起こる 等
またリムーバー等の成分によってアレルギー反応が起こり、眼瞼皮膚炎・眼角眼瞼炎等の原因となることもあります。
マツエク専門のサロンでは、上記のようなトラブルが起こらないようにアイリストが細心の注意を払い、まつげの根元から1mm~2mm程度の部分に付着しているグルーのみを取り除くようにリムーバーを使用しています。でも自分自身でマツエクのオフ・リムーブをする場合、目を一切開かずにまつげの根元だけにリムーバーを付けるというのはとても難しいです。リムーバーでマツエクをセルフオフするのは大変危険であり、安全性が保証できない行為と言えます。
ベビーオイルやオリーブオイルでまつエクオフできる?
まつげエクステのグルー(接着剤)は、油分に弱いという特性を持っています。マツエクを付けた時に「エクステを長持ちさせるために、クレンジングオイルを使わないでくださいね」と注意されますよね。この「オイルでグルーが剥がれやすくなる」という特性を利用して、マツエクをセルフオフする時にオイル類を使うという人が多いです。
マツエクをオイルで落とす取り方
1)オイルを綿棒に付けて、グルー部分に優しく馴染ませます。
2)オイルをコットンにタップリと含ませて上から乗せ、5分~10分放置します。
3)マツエクに軽く触れてみます。すぐに外れるものを、そっと優しく外します。
4)まったくマツエクが動かない場合には、1)~2)をもう一度繰り返します。
マツエクを引っ張らない!
オイルはあくまでも「取れやすくなる」というもので、グルーリムーバーを使った時のように一気に全部のマツエクが外れるというわけではありません。軽く触れてみても外れない場合には、引っ張って落とすのはNG!自まつげも同時に抜けてしまう可能性が高いです。
絶対にこすらない!
「こすったら落ちるかも」とまつげ同士をこすり合わせたり、指でまつげをこする人がいますが、これもNG。付着していたグルーが無理にはがされると、同時にまつげのキューティクルも大きく損傷することになります。まつげが途中で切れてしまったり、マツエクが取れてもパサパサとしたまつげになってしまう可能性が大。2回程度オイルでのマツエクオフを試してみてゆるまない場合には、翌日になってからもう一度トライしてみてください。
マツエクをオイルで落とす時のオイル選び
マツエクを自分で取る時には、どんなオイルを使えば良いのでしょうか?
クレンジングオイルでマツエクは落とせる?
クレンジングオイルは目の周辺等に使用することを想定して成分配合が行われているため、安全性が比較的高いのがメリットです。ただその反面、メイク成分を溶かして落とすための界面活性剤等が多量に含まれているのがネック。10分~15分以上という長時間の使用をすることでまぶたやまつげの潤いが奪われ、乾燥しやすくなる恐れがあります。
クレンジングオイルをまつエクのセルフオフに使う場合には、以下のようなオイルは避けた方が良いです。
・ミネラルオイルを主成分にしたクレンジングオイル
・エステル系クレンジングオイル
アボカド油、パーム油等、自然油脂を主成分としたクレンジングオイルを使用されることをおすすめします。
ベビーオイルでマツエクは落とせる?
「赤ちゃんの肌にも使える」というベビーオイル。ワセリン・スクワラン等がベースになっていて、合成着色料・安定剤といった刺激になりやすい成分はほとんど含まれていません。そのため安全性は比較的高いのがメリットです。ただ海外製品等の場合、「ベビーオイル」と書いてあっても強い成分が配合されていることもあるので、成分表示は十分確認した方が良いでしょう。
オリーブオイルでマツエクを落とせる?
マツエクを自分で落とす時にオリーブオイルを使う場合には、必ず「美容用」のオリーブオイルを使用しましょう。「食用」のものと「美容向け」のものでは精製度が異なります。安価な食用オイルを使用すると精製度が低く、かぶれ・肌荒れ等の原因となってしまうので注意してください。
また肌のオレイン酸が元々過剰な肌質の場合、オリーブオイルを使用することでニキビ・吹き出物等がまぶた・目元周辺にできてしまうことがあります。事前に必ずパッチテストを行い、肌に合っているかを確認しましょう。
ホホバオイルでマツエクを落とせる?
いわゆるキャリアオイルの中でもホホバオイルは肌・まつげ等との馴染みが早く、比較的エクステが落ちやすいオイルであると言われています。また保湿性が高いので、ある程度長くまぶたに付着しても乾燥しにくいのがメリットです。
オリーブオイルと同じく、ホホバオイルをまつエクのリムーブに使用する場合には必ず「化粧用(美容用)」に精製されたものを使用しましょう。なおホホバオイルは低温状態に置くと白く濁ったり固まったりして、まつげの上で伸びにくくなります。濁っている・固まっている場合には事前に温かい部屋の中に置いて溶かし、伸びの良い状態にしてから使用してください。
マツエクを自分で取るデメリット
上記のとおり、マツエクはオイル等を使用すれば自分で取ることもできます。ただ以下のようなデメリットもあることは、考慮しておいた方が良いでしょう。「自分でやった方が早いし安上がり」とは言い切れないのです。
1回ではキレイに落ちない
マツエク専用のリムーバーとは異なり、オイルはあくまでも「マツエクが落ちやすくなる(グルーが緩みやすくなる)」というものです。1日で全てのマツエクを自分でオフすることは、ほとんどできないと考えた方が良いでしょう。数日間にかけて何度かオイルを使い少しずつ外れたマツエクを取り除いてゆくので、意外と手間がかかります。
またエクステが取り切れるまでの間は「マツエクがところどころ取れている状態」になるので、見た目的にもあまり良くありません。中途半端に「取れかけ」になったエクステによってまぶたや角膜が刺激され、チクチク感が強くなってしまうこともあります。
自まつげに負担がかかりやすい
マツエクをオイルで自分で落とす場合、どうしても「落ちそうなのかどうか」という確認のためにエクステを引っ張ってしまう人が多いです。またオイルをグルーによく馴染ませようと、無意識のうちにまつげをこすり合わせてしまっている人も居ます。これらの「引っ張る・こする」という行為による自まつげへの負担はとても大きいもの。本来抜けないはずの自まつげが早々に抜けてしまったり、まつげがパサパサになってしまう可能性も考えられます。
グルーの成分が残る
最も大きなデメリットが、この「グルー(接着剤)がまつげに残る」という点です。まつげエクステが全部落ちたとしても、自まつげに付着したグルーが全て取りきれたとは限りません。エクステが付いていた部分の根元に、グルーの成分が引き続き残っている可能性が高いです。
グルーの成分が結膜・眼球等に混入すると目やまぶたのトラブル等の原因となるため、マツエク中には目をこすったり、うつぶせ寝ができませんよね。マツエクをオイルで落とした場合、引き続き「目をこする」「うつぶせ寝をする」といった行為をするのは危険ということになります。
まつげが自然に生え変わるまで、グルーの成分がまつげに残る可能性も大ということです。きちんとしたリムーブをしないままに再度マツエクをすると、マツエクのモチも良くありませんし、自まつげに対する負担も大きくなります。
マツエクサロンのリムーブ・オフってホントに高い?
上記のとおり、マツエクを自分で外す(オフする)行為は意外と手間や危険性も多い上に、その後の自まつげの状態が悪くなってしまうという問題も含まれています。安全に、自まつげを大切にするためには、やはり専門のマツエクサロンでオフ(リムーブ)をするのが理想的と言えるでしょう。
マツエクのオフ(リムーブ)の料金価格は平均2,000円~4,000円。「オフするだけ」と思うと、「ちょっと高い」と感じられることもあるかもしれませんね。でも現在では割引や保証制度を使うことで更に安価にリムーブを受けることもできるようになっているんです。
1)同店舗での付け替え・リペアはリムーブ無料
マツエク施術をした店舗と同じ店舗(もしくはチェーンの系列店舗)でマツエクの付替え・リペアをする場合、リムーブの料金を0円とするサービスです。このサービスはかなり多くの店舗が採用しています。
2)同店舗でのリムーブは料金割引
マツエク施術をしたサロンと同じサロンでリムーブを行う場合、リムーブの料金を割引する制度です。例えば通常のリムーブ料金を2,000円にしている店舗の場合、50%OFFの1,000円程度、もしくはそれ以下でリムーブができる店舗もあります。
3)施術から一定期間のリムーブ無料(保証制度)
万一マツエクが合わなかった場合や、マツエクが取れかけて違和感があるといった場合のために、施術後1週間~2週間程度の間のリムーブ料金・付け直し料金を無料とする保証制度です。「アフターケア保証」「アフター保証」といった名前で呼ばれることもあります。最近ではこのような保証制度を充実させた店舗も登場するようになっています。
マツエクサロン選びの際には、万一仕上がりが気に入らなかった時・マツエクが合わなかった時のことを考えて、オフやリムーブに上記のような制度がある店舗を選んでおくと安心ですね。
おわりに
マツエクを付けるのに比べると、カンタンそうに見えるまつげエクステのオフ(リムーブ)。でも本当は、キレイにまつげのグルーを落とすには熟練したテクニックが必要なんです。安易に「マツエクを自分で落とす」という方法を取ってしまうと、その後にマツエクが出来ないようなパサパサまつげ・細いまつげになってしまうこともあります。「自まつげを大切にする」という意味でも、できれば「サロンでオフ」を選ばれることをおすすめします。