ナチュラルな仕上がりなのに目力が生まれ、すっぴんにも自信が生まれる「まつげエクステ」。今や女性の多くが行う一般的な美容法となった「マツエク」ですが、近年ではマツエクによるトラブルの報告の多さも問題視されるようになっています。
まつげエクステを行った場合、一体どんなトラブルが起こりうるのでしょうか?ここではそのトラブルの種類や原因、トラブルを予防するための対策について解説をしていきます。
目次
まつげエクステで起こりうるトラブル
まずは実際にまつげエクステを行った人たちに起こったトラブルについて、その代表的なものを知っておきましょう。
目の充血
まつげエクステ後のトラブルとして多く聞かれるのが「目が充血してしまった」というものです。これにはいくつかの原因が考えられます。
目の乾き
まつげエクステを付ける際には、サージカルテープ等でまぶたを固定して装着を行います。テープの装着方法等によっては眼球が長時間固定された状態になり、眼球が乾燥状態となって充血することがあります。特にパソコン・スマホ等の使用によっていわゆる「ドライアイ」になっている人の場合には乾燥状態が激しく、充血度が高くなる傾向が見られています。
グルーの揮発
まつげエクステの装着に使われる接着剤(グルー)には、シアノアクリレート等の接着成分が使用されています。この成分は揮発性(きはつせい)があり、常温でも空気の中に飛び散ってしまうのです。そのためまつげエクステの装着時には揮発性成分が目に入らないよう、まぶたをテープで固定したり、目をしっかりと閉じておくわけですね。
ところが施術中に眠ってしまったり、二重整形等の影響でしっかりと目を閉じられない場合、まぶた同士のごく僅かな隙間から揮発した成分が入り込んでしまい、これが刺激となることがあります。特にドライアイで眼球が乾いている場合には揮発成分の刺激が強くなる傾向です。
角膜への傷
乾燥やグルーの揮発成分による目の充血はほとんどの場合一時的なもので、充血状態や違和感は装着後から徐々に治まっていきます。しかし「目が乾いて辛い」といったものではなくハッキリと「痛み」が感じられる場合、施術中のグルーの目への混入といった何らかの原因によって眼球の角膜自体に傷が生じ、目が充血している可能性も考えられます。
チクチク感・違和感
まつげエクステ装着後、多少の違和感(慣れない感じ)を持つ人は多いものです。しかし以下のような違和感が続いている場合、下記に挙げるいずれかの原因によってまぶたの皮膚が刺激を受けている可能性が高くなります。
- 目をギュッと閉じるとチクチクした感じがする
- 「まばたき」をするたびに目に違和感がある
- 目を見開くと目元にチクチク感がある
- 付けた直後からチクチク感が取れない
エクステがまぶたに刺さっている
痛み・違和感の原因のひとつとしては、エクステがまぶたの皮膚に刺さっている可能性が挙げられます。まつげエクステは皮膚に直接付けるものではなく、皮膚から一定距離を離して「まつげ」に装着をするものです。そのため本来ならエクステが皮膚に刺さるということはありません。しかし施術者の技術力が低かったり、雑な施術が行われていたりすると、まぶたの皮膚に直接エクステが触れたり刺さっている状態となり、まつげの付け根部分に痛みや違和感を憶えるようになります。
装着距離が近すぎる
まつエクの装着距離があまりにも近すぎると、目を動かす時にまつエクの根本がまぶたと接触しやすくなります。まっすぐ前を見た状態であれば痛みや違和感が無いのに、まばたきや目の見開き・ギュッと強くつぶった状態でチクチクとした違和感がある場合、装着距離の近すぎが原因である可能性が高いと言えるでしょう。
取れかけたまつエクがある
装着直後には違和感がなかったのに、しばらくしてからチクチク感が出てきたという場合、まつげエクステの装着部が浮いたり取れかけた状態となっており、エクステの根本部分がまぶたの皮膚を刺激していることがあります。特にリペア(付け直し)を何度も繰り返した状態の場合、このような「取れかけ」になっているまつげエクステが増え、皮膚へのチクチク感・違和感が強くなる傾向を見せています。
まつエクが絡まっている・歪んでいる
まつげエクステ(人工毛)は摩擦や圧力等の力に弱く、装着後に適切なケアを行わないと変形をしてしまいます。寝相や目を擦るクセ、タオルによる押し付け等でエクステの形が変形すれば、本来であれば目に触らなかったはずのエクステの先端部が目尻等に接触をし、これがチクチク感・違和感の元となることも多いのです。
また自まつげが伸びると何本かのエクステが絡み合いやすくなります。絡まった状態を放置すると形が悪くなるだけでなく、肌との接触が起こりやすくなるので注意しましょう。エクステ装着後にはコーム・ブラシ等による適切なコーミングや、ドライヤーで水分を飛ばし形を整えるアフターケアをきちんと行う必要があります。
ツイーザーによってまぶたに傷が生じている
チクチク感・違和感の原因は、上記のような「まつエクと皮膚との接触」であることが多いです。しかし中には、まつエク施術中に使用するツイーザー(ピンセット/エクステを挟んだり付けるための器具)によってまぶたの皮膚自体に傷が生じているケースも見られています。
通常であれば、ツイーザーとまつげの皮膚が接触することはありません。しかしまつエク用のツイーザーは先がごく細く鋭利となっているため、技術力が低い・経験の浅いアイリストが施術を行った場合、ツイーザーによってまぶたの皮膚をごくわずかに傷つけており、そこから雑菌等が入り込んで炎症が起こっている可能性も考えられます。
アレルギー反応
アレルギー反応とは、通常であれば無害であるはずの成分を人体の免疫機能が「有害」と判断し、過剰な反応を行うものを指します。例えば「花粉症(花粉アレルギー)」の場合、アレルギーの元となる「アレルゲン」はスギやヒノキ等の本来無害な花粉ですよね。これと同じように、まつ毛エクステで使われるグルーの成分に体内の免疫機能が反応してしま い、以下のような症状が起こることがあります。
- くしゃみ
- 鼻水
- 涙目
- 皮膚の痒み
- 皮膚の腫れ 等
アレルギー反応が起こる原因には個人差がありますが、主なものとしては以下のような原因が考えられます。
グルー成分の液化
まつげエクステに使用されるグルー(接着剤)は揮発時にホルムアルデヒドを発生させます。揮発が完了しきってしまえばホルムアルデヒドは空気中に飛散しますが、涙や目薬等の水分に反応するとホルムアルデヒドが液化し、皮膚に残ってしまうことがあります。これが痒み・腫れ等のアレルギー症状を起こす原因となるのです。
粗悪なグルーの使用
まつげエクステ用のグルーについては、医療用にも使用されるエチルシアノアクリレート等、皮膚への刺激の少ない成分を使用した製品の使用が推奨されています。また敏感肌の人向けに、低刺激型のグルーを用意しているサロンも珍しくなくなりました。
しかしまつげエクステのグルーの使用製品・成分については、つけまつげ用のグルーやヘアカラーのような法的規制がありません。つまり、まつげエクステサロンや施術者の知識・対応力等に安全性が委ねられているのが現状なのです。
リーズナブルな価格のみを売り文句とするサロンの中には、安全性の確立されていない製品を使用したり、グルーの揮発成分が目に入りやすい雑な施術が行われている危険性が指摘されています。
カウンセリング・パッチテストの省略
まつげエクステサロンでは、施術前にカウンセリングで皮膚の状態やアレルギーの有無といった確認を行うのが原則です。またアレルギー反応が出ないかの確認のため、「パッチテスト」を正規施術前に行います。
「パッチテスト」とは基礎化粧品やヘアカラー、まつげエクステのグルー等の成分に体質が合っているかを調べる皮膚アレルギー試験です。サロンによってパッチテスト方法に多少の差はありますが、両目に5本ずつ程度の少量のまつエクを付け、48時間以上が経過してから状態を確認する方法が一般的となっています。
しかし回転率の良さや気軽さを重視するサロンの中には、このようなカウンセリングやパッチテストの制度を設けていなかったり、パッチテストを高価格に設定しているケースも珍しくありません。また消費者側も「少しでも安く、早くまつげエクステを行いたい」という気持ちからパッチテストを省略し、アレルギーのトラブルが起こるケースも多く見られています。
自まつげが切れる・抜ける
まつげエクステでのトラブルでは、まぶたの皮膚の炎症以外に「自まつげ(本人の元々のまつげ)」に以下のような問題が起こるケースも見られています。
- 自まつげが途中で切れてしまう
- まつげが抜けてマバラになる
- まつげが細くなる(まつげが弱くなる)
この現象には元々の自まつげの状態(乾燥度・長さ等)や施術を受ける本人の健康状態等も大きく影響しているため、原因特定がやや難しくなります。しかしながら以下のような問題がある場合、自まつげが抜けやすく・切れやすくなる可能性は高いと言えるでしょう。
まつエクが重すぎる
自まつげの太さ・長さに合わないまつげエクステを無理につけた結果、その過重にまつげが耐えきれずに抜けたり弱ったりするケースです。まつげエクステサロンでは事前にカウンセリングを行い、本人の現在の自まつげの状態に合わせた太さ・長さのデザインを提案するのが一般的となっています。マツエクをしたい人の希望を取り入れつつ、まつげへの負担を少なくする形をプロのアイリストが考えていくわけです。
しかし中には顧客の要望に応えることのみを重視し、まつげの健康度を度外視した施術を請け負ってしまうアイリストも居ます。顧客側は短期間には「希望どおりのボリューム感・長さ感が得られた!」と満足をしますが、結果として自まつげが弱ってしまい、最終的にはまつエクを続けられないほどにまつげがなくなるケースも見られているのです。
まつエクの「リムーブ」を行わない
まつげエクステで使われるグルー(接着剤)には、水分等に強い特殊な成分が使われています。そのためまつげエクステを取り外す際には、専用のリムーバー(取り外し剤)でマツエクを落とす「リムーブ(オフ)」を行う必要があるのです。
しかし「ほとんど自然に取れてしまったから」「リムーブをサロンで行うとお金がかかるから」と、残ったマツエクを引っ張って取ろうとしたり、オイル等を使ってセルフオフをしようとするケースが多々見られています。
グルーで接着した状態のマツエクを物理的な「引っ張る」という力で外すと、自まつげには甚大なダメージが残ることに。ダメージを受けたまつげは、その後のビューラーやマスカラといったほんのすこしの刺激でも抜けやすく、切れやすいまつげになってしまうのです。
またきちんとしたリムーブを行わない限り、まつげエクステ自体が取れた部分の根本にも、グルーの成分は引き続き残っています。完全なリムーブをしないままにリペア(付け直し)を何度も行ったり、まつげを休ませる期間をおかずにマツエクを繰り返した結果、それらの負担によってまつげが弱るケースも珍しくありません。
マツエクのリムーブ・オフって自分でできる?まつげエクステの取り方
結膜炎・角膜炎
「結膜炎」とは、眼球とまぶたの裏を繋いでいる膜である「結膜(けつまく)」に炎症が起きている状態を指します。「角膜炎」は、目の黒目のある「角膜(かくまく)」が炎症を起こしている状態です。目の結膜・角膜に雑菌や刺激物等が混入した結果、目の充血や痛み、ゴロゴロ感といった症状が起こります。
まつげエクステによるトラブルで眼科を受診した人のうち、最も多い症状がこの「結膜炎」と「角膜炎」であると言われています。原因としてはグルーの混入・まつげエクステによる皮膚刺激・ツイーザーによる細かな傷等が挙げられるでしょう。前述したとおりマツエクによる皮膚刺激やツイーザーによる傷等は、施術者の技術力の低さが原因となっているケースも少なくありません。しかし以下のような施術後の生活習慣についての知識不足・ケア不足が炎症の元となっていることもあります。
うつぶせ寝
まつげエクステのグルーはまつげ根本(生え際)から1.5mm~2mm程度離して塗布されます。これによってグルーの結膜への接触や眼球への混入を防ぐわけです。しかし「うつぶせ寝」等の習慣があると睡眠中にマツエクが強い摩擦を受け、薄く閉じたまぶたからグルーが結膜・眼球へと混入する可能性が高くなります。
目を擦るクセ
グルー混入の危険性を高める行為としては、うつぶせ寝以外に「無意識に目を擦る」というものが挙げられます。まつげエクステは摩擦に弱いため、こすられることによってエクステが外れるだけでなく、根本部分のグルーがゆるんで眼球に混入しやすくなるのです。特に目のかゆみや違和感を持ちやすい人、花粉症等の症状が目に出やすい人の場合、ノーメイク時の習慣に気を配る必要があります。
眼瞼炎
眼瞼炎(がんけんえん)とは、瞼(まぶた)に起こる様々な症状をまとめて指した用語です。眼瞼炎には様々な症状がありますが、大きく分けて以下の3つに分類することができます。
- 眼瞼縁炎(がんけんえんえん):名前のとおり眼瞼(まぶた)の縁(ふち)に起こる炎症です。
- 眼瞼皮膚炎(がんけんひふえん):まぶたの皮膚の一部もしくは皮膚全体に起こる炎症を指します。
- 眼角眼瞼炎(がんかくがんけんえん):眼角(がんかく)とは目尻、まなじりを指す言葉です。上下のまぶたがくっついた内側が「内眼角」、外側が「外眼角」で、これらに炎症が起こることを眼角眼瞼炎と呼びます。
眼瞼炎の症状としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 皮膚の赤み
- 皮膚の腫れ
- 痒み
- ただれ
- 発疹
- カサつき/乾燥
まつげエクステで「眼瞼炎」が起こる可能性としては、主に以下の2つが考えられます。
エクステへの雑菌・ウイルスの繁殖
まつげエクステ装着後、目の周辺の洗浄・メイク落としの不十分さ等からエクステンション(人工毛)に細菌やウイルス等が発生し、これが感染性の眼瞼縁炎の原因となります。特に「エクステのモチを良くしたいから」と過剰にクレンジングを避けたり、エクステの上から更にマスカラを重ねた場合等に雑菌が繁殖しやすくなりやすいと言われています。
アレルギー反応の悪化
グルー(接着剤)の成分やエクステの人工毛に含まれるタール樹脂等の成分によって皮膚がアレルギー反応を起こしているにも関わらず更にエクステ装着を続けると、皮膚状態が悪化して眼瞼皮膚炎・眼角眼瞼炎等の原因となります。
ぶどう膜炎・内眼炎
ぶどう膜炎(内眼炎)とは、目(眼球)の内側に起こる炎症の総称です。エクステ(人工毛)やグルー接着部等に雑菌やウィルス等が繁殖すると、多くの場合は皮膚の痒みや違和感(結膜炎や眼瞼炎の初期症状)を覚えることになります。しかしこれらの初期症状を放置した結果、雑菌の繁殖が眼球の外部である角膜・強膜等を通り抜け、目の内側にまで及んで炎症を起こしてしまうのです。
ぶどう膜炎・内眼炎の初期症状としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- かすみ目
- 眩しさへの弱さ
- 視界がぼやける
- 視力の低下
目の内側の炎症は角膜炎などとは異なり、初期症状では痒み等はあまり出ません。そのたかすみ目やぼやけ等目の機能低下を感じても「炎症である」となかなか自覚せず、症状が悪化するケースが多いとされています。しかし放置をすれば目の機能の低下は更に進み、最悪の場合には失明の可能性も考えられる病気です。また炎症の治療は外用薬だけでなく内服薬を用いながら長期間行う必要があり、場合によっては根治治療(完治)が難しいケースも見られています。
まつげエクステでのトラブルを防ぐには?
まつげエクステでは、上記のとおり充血・目の乾きといった軽度なトラブルから、長期的な病気となる重篤なトラブルが起こる可能性も考えられます。「みんながやっているから」「美容にかけるお金を抑えたいから」という理由で安易な選択をせず、トラブルを防ぐための予防策を考えていくことが大切です。
セルフマツエク・セルフオフは絶対NG!
近年ではマツエク用のエクステンション(人工毛)やグルー(接着剤)がオンラインで手軽に購入できるようになり、自分でまつげエクステを装着する「セルフマツエク」を行う人が増えているようです。またマツエクのリムーブ代(マツエクを外すための料金)を節約しようと、自宅でリムーバーやオイルを使ってセルフリムーブ(セルフオフ)に挑戦している人も少なくありません。
しかし「まつげエクステ」の装着・取り外しを自分で行うのは重篤なトラブルの元です。マツエクによるトラブル率の増加の一因には、セルフマツエク・クイックエクステの利用者が増加していることが影響しているという指摘も見られています。セルフマツエクがトラブルを起こす理由としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 片目をしっかりと閉じた状態を維持するのが困難である(揮発成分が目に入りやすい)
- まつげの根元から1.5mm~2mmという適切な皮膚との距離感での装着ができない
- 手元の狂い等によってツイーザーで皮膚を痛める可能性が高い
- グルーの乾燥が適切でなく、目にグルーが混入しやすい
- 自まつげの状態に合った本数・長さ・太さの選択ができない
- セルフオフでは完全に除去できないグルーが目元に残りやすい
「まつげエクステ」は専門的な知識と技術を持った有資格者のアイリストのみが行える美容技術です。「道具があればできる」「グルーがあればできる」といった安易な選択を行わず、信頼のできるプロに任せるようにしましょう。
信頼できるまつげエクステサロンを選ぶ
マツエクでトラブルが起こる原因の多くは、施術者であるアイリストの知識の浅さ、技術力の低さにあります。現在のまつげエクステは専用のサロンの他、個人サロンや美容院等、様々な施設で受けることができる美容法です。中には非常に安価な料金でマツエクができるサロンもあることでしょう。しかし料金の安さやエクステのモチ等だけに着目せず、以下のような側面から「信頼のできるサロン」を選ぶ必要があります。
美容師免許を持ったアイリストによる施術ですか?
まつげエクステは法律によって「美容行為」であると定められており、施術を行えるのは国家資格である「美容師免許」を持った人のみに限定されています。エクステを行うサロンは保健所に「美容所登録」を行っている必要があり、施術を行うアイリストは全員美容師免許を取得していなくてはならないのです。
しかし現在においても、美容師免許を取得せずに営業を行うサロンやアイリストは多々存在しており、トラブルによる摘発等も増えているのが現状です。きちんと美容師免許を取得し、美容所登録を行っているサロンであれば、その旨は公式サイト等でも明記されています。免許資格に不明な点があれば、事前に必ず確認を行っておきましょう。
事前カウンセリングがきちんと行われていますか?
カウンセリングでは、現在のまつげの状態をチェックしたり、アレルギー体質等の確認を行います。トラブルの無い適切なまつげエクステ施術を行う上で、個人個人で異なるまつげや皮膚の状態、体の健康状態等を確認するのは必須なのです。事前のカウンセリングの明記がされていなかったり、施術時間(予約時間)があきらかに短いといったサロンの場合、カウンセリングが省略される可能性も考えられます。予約を入れる前に、必ずカウンセリングの有無を確認しておきましょう。
パッチテストが行われていますか?
カウンセリングと合わせて必ず確認をしておきたいのが「パッチテスト」の制度がキチンとあるかどうかです。またパッチテスト料金が通常料金とセットになっているのか、別途料金が発生するのかも確認しておきましょう。「パッチテスト無しで当日施術可能」といったスピード対応を行うサロンは避けた方が無難です。
まつげの状態に応じたマツエクデザインを提案してくれますか?
まつげが抜ける・切れるといったトラブルを防ぐには、現在の自分のまつげに合ったデザインを行うことが大切です。「まつげへのダメージを減らしたい」「自まつげを大切にしながらマツエクをしたい」と言った要望に対して、きちんと対応をしてくれるかどうかを確認しましょう。
「××本をセットにした方がオトク」と見た目のキレイさや料金のお得さだけを打ち出してきたり、「×本付けたい」「全部Cカールにしたい」「とにかく長さを出したい」といった要望を全面的に飲んでしまうサロンには要注意です。
アフターケアについての説明は丁寧ですか?
まつげエクステは洗顔・プール等の水分に強いという特徴を持っていますが、反面、物理的な摩擦や油分などには弱い傾向を持ちます。マツエクをきちんとキレイにもたせつつ、更にトラブルを防ぐためには、付けた人がアフターケアについてよく理解し、日々の生活にも注意をしていく必要があるのです。
アフターケアについてわからない点や不安な点があれば、自分でWebサイト等で調べるだけでなく、事前に疑問点をリストアップをしてお店に質問をしてみましょう。アフターケアについての説明いいかげんだったり、事前説明を省略したがるお店は避けるべきです。
保証制度はありますか?
最近ではまつげエクステに保証制度を設け、施術から平均1週間~10日間での付け直しやリムーブを無料で行うサロンも増えています。万一マツエクが合わなかったり、取れかけてしまって違和感があるという時、このような保証制度があれば安心ですね。
体調が不安定な時のマツエク施術は避ける
生理中や生理前後の時、普段なら大丈夫な基礎化粧品がシミたり、メイクで肌荒れが起きるという人も多いのではないでしょうか?女性の体は生理や妊娠等で女性ホルモンの分泌バランスが崩れます。そのため、皮膚や髪・爪等の状態が不安定になり、ちょっとしたことでも肌荒れやトラブルが起きやすくなるのです。
まぶたや目の周辺の皮膚も、当然のことながら体調の影響を強く受けます。以下のような時には、まぶたの皮膚等も特に敏感になりがち。通常時であれば問題の無いグルーの揮発等でアレルギーが誘発されてしまうことも多いのです。
肌が敏感になりやすい時
- 生理中・生理前後
- 妊娠中
- 出産後1~2ヶ月
- 睡眠不足が続いている状態
- その他内服薬等を飲む疾患がある時
- 外用薬を使用する皮膚疾患がある時
- 花粉症等のアレルギー症状が出ている時
上記のような時に、無理をしてまつげエクステの施術を受けるのは避けましょう。また上記以外においても何らかの体調の不良や肌の不安定さを感じた場合には、肌が安定するまでエクステをお休みした方が安心です。
「変だ」と感じたらガマンせずにリムーブを!
チクチク感やゴロゴロ感等を感じたら、「こんなものかも」とガマンをせず、すぐに装着を行ったサロンに連絡をしましょう。痛みや違和感が強い場合には、サロンでのリムーブを行った後にすぐに眼科医に行って、目の状態を検査してもらうことも大切です。
眼瞼炎や内眼宴といった重篤な目のトラブルとなったケースでは、その多くが目の痛みやゴロゴロ感等の違和感をおぼえていたにも関わらず「まつエクを落とすのがもったいない」「来週のイベントまではマツエクを装着しておきたい」等、無理をして放置し症状を悪化させる傾向が見られています。目の症状が重篤となった場合、その治療は数千円で済まないどころか、大切な視力や皮膚の美しさが生涯にわたって損なわれてしまうことも考えられるのです。
なお、グルーによるアレルギー症状や違和感等は、繰り返しマツエクを行った後に発症することもあります。「最初は大丈夫だったのだから」と安易に判断をせず、「変だな?」と感じたら早急に対処を行いましょう。
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おわりに
まつげエクステが日本で初登場をしたのは2000年代を過ぎてからのことです。登場から約15年というまだ「新しい美容法」であり、その分ヘアカラーやパーマ等に比べて法規制が進んでおらず、パッチテストの重要性等についても一般認知度が低いのが現状となっています。
まつげエクステの利便性や見た目の良さを十分に楽しむには、きちんとしたサロンを選び、施術を受ける人もマツエクについての知識を持っておくことが大切です。「とにかく安く」「とにかくボリュームを」という気持ちを抑えて、「安全に、安心して受けられるマツエク」を重視するようにしていきましょう!